電費って、鼻づまりとか山瀬まみとかじゃないですよ。
燃費というのは燃料消費率の略らしく、じゃー電気自動車は電力消費率の略で電費でよかんべ、ということで、実際に「電費」という言葉が定着してしまったらしい。
なんかもうちょっとかっこいい言い方はないのか、とか思うけど、音も似ていて電気の燃費というのを連想しやすいし、一般用語として定着するんだろうな。
基本的に電費の測定は満タン法でやってみた。タンクがないのに満タンって変だなぁ。
満充電法とか、満電法とか・・・
私の場合、会社の駐車場は専用メータを使っているので、そのメータをくぐった電気はすべて車両に投入される。
基礎充電だけの場合は満充電になるから簡単な一方、出先で急速充電をした場合は、満充電にしてくれないことが多いので、簡単ではない。
ただ、充電器には充電電力量が表示されるタイプが多いので、満充電→満充電までの間に急速充電した分を控えておいて、「走行距離/(基礎充電+急速充電の合計電力量)」で電力消費率を計算。
バッテリの容量は16kWhだけど、充電の時に損失があるので、20kWhくらい使うらしい。電力消費率の計算上は、損失を含めて、すなわち実際に車両に流した電力量で計算。急速充電器に表示される電力量が、充電器の1次側なのか2次側なのかは、すみません、調べてないです。
へぇー2割も捨てるの!もったいない!とお感じの方は、ガソリンエンジンの熱効率を調べてみてください。
●電気自動車で箱根まで行けるか
誰かのブログで、世田谷から箱根まで行けるか試してみたら、箱根の山の上で電欠寸前になったとか書いてあった。その人は海老名で充電して、多分御殿場か秦野中井あたりから箱根に行ったんじゃないかと思うけど、より箱根に近い大磯町役場に急速充電器があるので、私はそこで充電して行くことにした。
経由は、世田谷から、東名、<海老名>、厚木、小田厚、<大磯>、西湘、国道1号で芦ノ湖の近くにある<箱根町総合体育館>に至るルート。帰りは芦ノ湖沿いに元箱根、トーヨータイヤターンパイク、西湘、新湘南、一般道、<藤沢市役所>、横浜新道、第三京浜。
急速充電器があるところは<>書き。
このうち、海老名の充電は念のための充電。
大磯は本番の気合いを入れた充電・・・のつもりだったけど、海老名で充電したのであまり減っていなかった。
大磯で8割まで充電して出発、箱根町総合体育館に着いたときは、電欠どころか残量計はちょうど半分(笑)。
計算上は、ギリギリ世田谷から山の上まで行けた可能性もあるレベル。怖いから絶対やりませんがネ。
それにしても、いったい、そのブログの人との違いはなんだったんだろう・・・
帰りは一応藤沢市役所で充電したけど、計算すると、箱根から世田谷は多少余裕を持って走れるレベルらしい。
行き帰りで差が出るのは、当然勾配の関係。
帰りは夜のトーヨータイヤターンパイクを、後続車が来ないのをいいことにずっと回生ブレーキで抑速運転(注:下り勾配で同じ速度を維持して走ること)してきたところ、山を降りる間に残量計の目盛りが1個増えた。どんな車でも山を下りて燃料が戻ることはありえないけど、さすが電気自動車。
料金所以外で1度もブレーキを踏まずに山を下りてこられるのは、多分プリウスでもありえないだろうな。
行程は220km、電力量は30.13kWhだった。この時点で1回の充電ではアウトということが明白。
電力消費率にすると、7.30km/kWh。ちょっとぴんと来ないかもしれないけど、1kWhは深夜電力なら9円、昼間の家庭用の電力でも25円くらいだと思うので、いかに動力費が安いかがわかると思う。ガソリンが1リットル130円として、仮に燃費が14.6kmの車だとしても、65円かかる。
●エコランは電費に影響するか
その他のできるだけ条件を同じにして、Eレンジ(出力制限をして加速を緩くする)走行と、Dレンジで強めに(他の車を多少引き離すレベルで)加速する比較をしてみた。
駒沢から国道246号線経由で、横浜の藤が丘まで往復。
1回目のエコランは、7.78km/kWh、2回目の強めの加速は、8.42km/kWh。
どうも、加速を緩くする運転は、電費にあまり影響しないらしい。むしろ速度のほうが空気抵抗などに影響するため、高速道路では80キロくらいで走るのがいいらしい。
確かに運動エネルギは質量と速度の話なので、どんな加速をしようと蓄積するエネルギは同じ。ただ、ガソリンエンジンの場合は回転数による効率の差が激しいのに対し、モータはそれがあまりないということだと思う。
当然のこととして、止まるときは回生ブレーキでできるだけエネルギを回収するほうがよい。
そんなわけで、今はEレンジは使わず、Dレンジで一気に加速するようにしている。
●都内でどれくらい走るか
平日の普通の使い方、すなわち、世田谷の会社から都内に出て帰ってくるという使い方。
この場合、おおむね6~7km/kWhくらい。都内で走る限りは急速充電器は使わないで済むので、動力費は完全に深夜電力の電気で、9円/kWhくらい。都内で走って1km1円か1円50銭という値段。
このような環境では、ガソリンエンジン車が10km/l行くかどうかだと思うので、1km13円とかになることを考えると、「電気代はガソリン車の10分の1」というのも、誇大広告とまではいえない気がした。
●カタログに近い電費
自動車の燃費というのは、「当てにならないもの」の代名詞だった。
つまり、カタログに15kmと書いてあれば、半分の8kmも走ればいいほうだ、という感覚。
i-MiEVも、カタログには「1回の充電で160km」と書いてあったので、半分の80kmと見ておいたほうがいいかな、と思っていた。それでも平日に都内で乗るという、本来の目的には十分だし。
カタログには、1回の充電で使う電力量が20kWh、それで160km走行。電力消費率は、0.125kWh/1kmと書いてある。単位を逆にすると、8km/1kWhということになる。
えっ、今までの電費は、箱根へ行って7.3km、都内で走って6kmとか7km。
6kmだとしても、1回の充電で120km走れる計算だ。
半分どころか、カタログに近い数値が出てる。
ガソリンエンジンの自動車で、箱根を往復してカタログに近い燃費が出る車なんてあるはずがないのだから、正直驚いている。
確かに私は体重も軽いけど、車の重さに対してドライバの体重が多少変わっても電費にそこまで大きな差は出ないだろう。まして、燃費のテストドライバみたいに神のような運転をできるわけでもないし、公道で電車の運転士みたいにとにかく無駄な電気は使わない、みたいなことができるわけでもない。
どうも、日本の燃費基準である「10・15モード」が、電気自動車には有利に働いているのかもしれないと思った。
Wikipediaによると
10モード燃費測定
アイドリング状態 (20秒)
20km/hまで加速する (7秒)
20km/hをキープして走行 (15秒)
20km/hから減速して停止 (7秒)
アイドリング状態 (16秒)
40km/hまで加速する (14秒)
40km/hをキープして走行 (15秒)
40km/hから20km/hまで減速 (10秒)
20km/hから40km/hまで加速 (12秒)
40km/hから減速して停止 (17秒)
15モード燃費測定
アイドリング状態 (65秒)
50km/hまで加速する (18秒)
50km/hをキープして走行 (12秒)
40km/hに減速して走行 (4秒)
アクセルをオフにした状態 (4秒)
40km/hから60km/hまで加速 (16秒)
60km/hをキープして走行 (10秒)
60km/hから70km/hまで加速 (11秒)
70km/hをキープして走行 (10秒)
70km/hから50km/hまで減速 (10秒)
50km/hをキープして走行 (4秒)
50km/hから70km/hまで加速 (22秒)
70km/hをキープして走行 (5秒)
70km/hから減速して停止 (30秒)
アイドリング状態 (10秒)
上記10モードでの測定3回、15モードでの測定1回の結果から算出される。
というのが、10・15モードの測定条件らしい。
まず、電気自動車は「アイドリング」で大した電気を消費しない。エンジン車は渋滞のときに燃費が悪くなるけど、電気自動車は走った分しか電気を使わないので、そこで電費自体がよくなる。
そして、10・15モードはえらい緩慢な加減速で、電車より遅いんじゃないの、というくらい。実際には試験走行より強い加速をするので、ガソリンエンジンの場合は効率が悪くなる結果、実用燃費との乖離が生じてしまう。しかし、電気自動車はどうも加速の強さと電費の関係が弱いらしいので、試験走行と乖離した走行をしても、電費に影響しにくいということかもしれない。
※以下の部分,転載のときに漏れてしまっていたので追記します.
●渋滞で電気が減らない
電気自動車のおもしろいのは、渋滞で電気が減らないこと。ストップ&ゴーでどうしても効率は悪くなるだろうけど、止まっていればモータは電力を消費しないので、ガソリン車のように渋滞で電費がガタ落ちということがない(少なくとも感じない)。
ただ、問題はエアコンなんだよなぁ・・・
エンジンを積んでいない電気自動車は、当然バッテリを使ってエアコンを動かすので、エアコンを使えば電気が減る。こちらは走行距離ではなくて使用時間で減っていくので、エアコンを使う季節はちょっと心配。しかも、暖房は電熱ヒーターを使って暖房するらしく(エンジン車なら有り余る廃熱の一部をちょっと回してもらうだけで十分すぎるほど暖房が効くのに・・・プリウスでさえ(笑))、「暖房を使うと電費が半分」とか言われている恐ろしさ。(動力費が2倍になってもガソリンより全然安いけど、むしろ問題は航続距離が半分になること。)
冬は厚着をして乗るとか、ひざ掛けを常備しておくとか、湯たんぽを用意しておくとか、今から対策を考えておかないと・・・
あとは、エアコンをガンガンかけるんじゃなくて、最小限にかけるという、会社や家で当たり前のことをするくらいかなぁ。
(2010年10月8日にコミュニティサイトで限定的に公開した記事を再編集して掲載しています.そのため文章が常体・口語体になっています.)
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