「マイミクのマイミクがアルカイダ」(激違)の大臣,今度は「えん罪と呼ぶべきでない」・・・
鹿児島の選挙違反事件(志布志事件)で12人の被告人全員に無罪が言い渡された事件について,鳩山法務大臣は「えん罪と呼ぶべきではない」と発言しました.
この事件では,多数の被告人が不適切な捜査により逮捕・勾留されたうえ,強要された自白に基づき起訴されたのでした.それほどの被害を生じさせたものが「えん罪事件」ではないとは,およそ検察庁を監督する大臣(*1)の発言とは思えません.
大臣は後に「えん罪とは無実の罪で有罪判決が確定した場合」と説明しています.しかし,そもそも「えん罪」という言葉にそのような限定はないはずで,辞書でも「疑われたりすること」を含んだ解説をしています.また,法令でも「えん罪」という言葉は出てきません.当然のことですが,刑事補償法も刑事補償の対象を有罪確定後の再審無罪に限るようなことはしていませんので,未決の拘禁を受けている期間についても,国に補償を請求することができます.
無理な捜査で逮捕・勾留されたこと自体,既に相当の不利益を受けているのであり,まさに「これをえん罪と言わずして」というところです.
鳩山大臣は,過去にも「死刑の執行が法相の関与なく自動的に進む方法はないか」などの不適切な発言を行っています.言葉の行き違いなどの「作られた失言」については,それをいちいち取り上げて問題にすることは適切ではないかもしれません.しかし,法相のこれらの発言は,およそ法務大臣の職責を理解しない(できていない)としか思えないもので,このような発言をする大臣は不適格と言わざるを得ません.
(*1)正確には,法務大臣は検察庁全般を指揮することにはなっているのですが,政治の影響が過度に及ばないよう,個別の事件については大臣は検事総長のみを指揮できることになっています.検察官は検事総長の指揮により職務を執行することになっています.(このしくみについて詳しく知りたい方は,造船疑獄事件について調べてみてください.)
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