確かに,1リットル53.80円と聞くと,非常に高率の税金がかけられているといえなくはありません.1リットル145円程度の現在は,逆に相対的な税率は下がったように見えますが,一時1リットル80円という底値だった頃もあり,その頃は実に本体26円・税金54円という「すさまじい高率」の税金が課されていたことになります.
自動車は国民生活に不可欠であることも,原油の高騰が国民生活を圧迫したり,生活物資の運賃に跳ね返ることで物価に影響することなども,これまた確かな事実ではあります.
しかし,自動車の利用者はその外部不経済のごく一部しか負担していないということも周知のとおりですし,環境への影響も考慮すると,これ以上自動車を増やす方向に誘導することが望ましいはずはありません.
仮に一度税率を下げてしまえば(暫定税率の失効・廃止による税率の引き下げにせよ),再度税率を戻すことは困難になります.そして,減税の分だけ道路予算を削るにせよ,一気に半分に削れるようなものでもありません.既存の道路の維持修繕も重要ですし,都市部でよく行われる「鉄道の連続立体交差化工事(連立工事)」も,一見鉄道の工事に見えるものの,鉄道会社に全額の負担を求めることは現実的でないことから,道路の踏切を除却して道路の交通を円滑化するための工事という理由で,ほとんどが道路財源で行われています.(ただし,小田急線のように連立工事と線増工事を同時に施行する場合は,連立工事は道路財源を充てるものの,線増については全額を鉄道会社が負担しています.)
本来必要なことは,現在の税率は断固として据え置き,むしろ道路財源を一般財源とすることです.必要な道路は一般財源から出して作ればよいし,一般財源と同様の厳格さで必要性を見直して取り止めとなった事業については,その分を一般の施策に回せばよいのです.
地方都市では公共交通のネットワークが壊滅的な状況になっていますが,自家用車を運転できない年少者や高齢者の移動手段を確保するためには,並行する(?)自家用車の利用者がその維持費用を負担してでも,最低限の公共交通を維持する必要があるでしょう.海外では道路財源を公共交通の維持に回す事例もあるようであり,あくまで特定財源のままで拠出の範囲を道路から公共交通の維持に広げるという考えも成り立ちますが,それはガソリン税からの税収がいくらあったのかを考慮の上一般財源の予算編成を行えばいいのであって,特定財源を維持する理由には弱いような気がします.
てか、ガソリンって安すぎね?
はるばる中東からタンカーで運んできた油1リットルが、なんで缶ジュースに毛の生えた程度の値段で買えるんだよ。
投稿情報: じょう | 2008/01/24 01:04
ガソリンの税金の話なので、それを中心に話が進むのは致し方ないのですが、税率を維持する理由ばかり考えているように思われます。
自動車利用者の受益者負担、増加へ誘導しないことを考えるなら取得税でよいと思います。道路の受益者はドライバーばかりでしょうか。
また、一度税率を下げてしまえば、、という話はテレビなどでよく耳にしますが、困難というのは国民が拒否するからでしょうか?それならば増税せずサービスを縮小するのが民主主義ではないでしょうか。
道路財源は(必要であれば)ガソリンからだけでなく一般会計から捻出すべきものと考えています。それが広い意味での道路財源の一般財源化です。
投稿情報: グッキー | 2008/01/24 23:30
コメントありがとうございます!
じょうさん
お客さんが車で乗り付けて,中身だけタンクからタンクに移すだけ,品目も灯油を含めて4つしかない,というふうに,ずいぶん効率化されているせいもあるでしょうね.
グッキーさん
確かに,私も税率維持ありきみたいな考えになっていたきらいはあるかもしれませんし,まさに「取りやすいところから」の典型だと思います.ただ,ガソリンなどには担税力があると思いますし,わが国に減税の余裕があるかといえば,やはりないのだと思います.
税率が一度下がってしまった場合に再度の引き上げが困難になる件も,本来的にはご指摘の通りなのですが,現実的には難しいのではないかと思います.私としては,道路整備で見直せる点は見直しの上,他の施策に使うのがよいと考えます.
ところで,自動車関係の税金は取得時にかかる税(自動車取得税),保有にかかる税((軽)自動車税,重量税),運行の際にかかる税(燃料関係諸税)があります.
燃料の税金は車の重さと走行距離に概ね比例することで,道路への負荷や受益の程度に概ね比例する,合理的な負担方法と思います.仮に取得税や保有税にシフトしてしまうと,運行の頻度にかかわらず同率の税金がかかることになり,保有する以上は積極的に運行するという方向にいってしまわないかと心配です.
投稿情報: の | 2008/01/26 22:13