給食費や保育料の未納がマスコミ等で取り上げられています.コメンテータの中には,「給食や保育のサービスを停止すべきだ」と声を荒らげる人もいますし,未納が看過されれば保護者の間の不公平が生じますから,滞納整理がきちんと行われる必要があるでしょう.
ただ,サービスの停止については難しいと思います.特に保育のサービスの場合は勘違いされやすいのですが,保育や給食のサービスは親に対するものではなく,あくまでも子に対するサービスです.しかし子どもからは料金を取れませんし,子の養育監護は親の責任ですので,その費用を親に負担せしめるという性質のものです.このため親の未納を理由に保育のサービスを止めるということはなかなか難しいでしょう.(児童福祉法では,「保育に欠ける」児童に対し,市町村の義務として保育所において保育することを定めています.)
したがって,あとはどのように徴収を確実に行うかという議論にならざるをえないと思います.
この点につき,私は課税課と連携して実効的に徴収することが必要と考えます.施設から催促しても支払ってくれない保護者に対しては財産の差し押さえを行うなどの警告の上,実際に執行しているようですが,その前の段階で課税課と連携し,資産調査および収入の把握を行った上,税と一体のように徴収するのがよいのではないでしょうか.(住民税の徴収のため,各会社は従業員の住所地の役所の課税課に給与支払報告書を渡しています.)
サラリーマンについては区民税等を給与天引きで支払う「特別徴収」が行われていますが,保育料等についても範囲を拡大してもよいでしょう.(もっとも,会社の事務負担等の問題が生じるため,調整が難しい可能性はありますが.)
しかし,これらは「払えるのに払わない」人に対して有効ですが,実際には「本当に払えない」という人も多いはずです.このような事例では,十分な配慮が求められます.保育園を利用できる家は優先順位の関係で通常共稼ぎか1人親世帯であると考えられ,収入が不安定である,収入が十分でないなどの状況など,色々な事情が考えられます.給食費については就学援助の適切な運用で支援すべきところですが,保育料については住民税と同様に前年の所得により金額が決まるため,離職や転職などで収入が減った場合は支払いが困難になる場合があります.現実的には,このような状況に最大限配慮の上,できるだけ徴収するといったところになるのでしょう.行政庁も滞納が発生した場合は早期に納入義務者に聞取り調査を行うなどの対応が望まれますが,納入義務者側も支払えない場合は早期に行政庁に事情を説明するなどの責任があります.
余談ですが,過去に何かの用事で社会保険事務所に行ったとき,隣の窓口が徴収課の窓口で,そこの人が「不渡りレポート」のような業界紙(?)を読んでいたのを思い出しました.サラリーマンの年金や健康保険は会社が一括して社会保険庁に納めますので,その徴収のために必要なのでしょう.ナニワ金融道で街金の人が同様の業界紙を読んでいるような描写があったと思いますが,まさか役所でそのようなものを見かけるとは思いませんでした...
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