
風邪がひどくて困っております(略してKHK).
ちなみに国税庁のメインシステムは「国税総合管理」を略してKSKシステムというそうです.
先週近くのお医者さんに行って薬を出してもらったのですが,あまり治りません.
待合室の調度品や内装がヨーロッパの古い家のようになっているという微妙に胡散臭いクリニック(クリニークといったほうがいいような感じ?)なのですが,普通の風邪なのでどこに行っても同じでしょうからそれが理由ではなさそうです.(そういう内装とかは嫌いではありませんが,診察室の患者用の椅子も先生のと同じような豪華な社長椅子で,「ちょっと背中の音聞かせてください」というときに背もたれが邪魔です.患者様を大事にしているんです,ということだと思うんですが,実用性を考えると丸椅子で十分な気がするんですがねぇ.)
そのクリニックの待合室にはAEDが置いてあります.AEDというのは心室細動を起こした患者などに対して素人でも使えるようになっている全自動の除細動器で,患者の胸に電極をつけると心電図を解析して,適応する場合に自動的に電気ショックをかけるようになっている機器です(電気ショックをかけたら逆に死ぬような患者や,心拍が完全に停止しているような患者には動作しません).しかしそこには普段から医師がいるわけで,普通だったら先生を呼ぶでしょう.先生が使う場合,全自動ではない除細動器が使われるようですので,医療機関の待合室にあるのは意外といえば意外なシロモノです.もちろん,一般の患者に日ごろからAEDの存在を知ってもらいたい,という意図で置いてあるのかもしれませんが.
診察が終わって,処方せんが手渡されたわけですが,私が特に何かお願いしたわけでもなく,上の写真のような文言と押印がされていました.
「後発医薬品への変更可」という文言,「ジェネリック医薬品に薬剤師の判断で変更してもよい」ということを意味します.
従来は医師が処方した薬を薬剤師の判断で変更することはできず,都度医師の許可を求めないといけないしくみになっていました.(一般名処方という方法もあったようですが,あまり一般的でなかったようです.)
この4月から,医師が商品名で処方した場合でも,薬剤師の判断で同等の後発品を出すことができるようになりました.言うまでもなく薬剤師は薬学部を卒業して国家試験に合格する必要がある(しかも薬学部はまもなく6年制になる)わけで,そのような専門家がなぜ今まで銘柄が違うだけの同等の薬を出すことさえできないというくだらない規制をしていたのかは疑問であり,当然の規制緩和ということができるでしょう.
そのようなわけで,薬局で「ジェネリックでお願いします」と一言お願いして出してもらうことにしました.
受付の人の説明では,「在庫があるものはジェネリックで出せますが,その他のものは取り寄せか,それともあるものだけジェネリックにするようになります」とのことで,とりあえずジェネリック品があるものはそうしてください,と頼みました.
まもなく薬剤師が薬価基準の分厚い本を持って見え,処方せんの薬の中で,「ロキソニン」だけ,ジェネリックの在庫があるということです.医師が処方した薬は「ロキソニン」で薬価が23.30円,当店で在庫があるのはこれとこれで,1個が11円(詳細忘れました),もう1個がロキペインといって6.70円ですが,どれにしましょうか,と聞かれました.
(ロキソニンのジェネリック品については,http://www.generic.gr.jp/index_sr.php?mode=list&me_id=635を参照してください.)
薬剤師が患者に薬価基準を見せてどれにするか選んでくださいと聞くようになったのは時代の流れであり驚くべき変わりようだと思いますが,私がまじめにそんなことを考えるはずもなく,迷わず「一番安いのを」と頼みました.医療費の7割は健康保険が負担しているものですので,負担軽減を求めるのは消費者の権利であると同時に健保加入者の務めです.
それにしても,23.30円と6.70円ではずいぶん違うものです(もっとも,私が処方されたのは15錠であり,250円ほどの差です.自己負担はそのうち3割なので70円か80円の違いにすぎません).一般にこんなに安くなるものなのですか,と薬局で聞いてみたら,「他の薬は安い薬なので大きく変わりませんが,ロキソニンは比較的差があります」とのことで,処方されている薬により違いそうです.入院患者などは積み重なって大きな差が出ることがあるのではないでしょうか.
先発品は大変な研究費を投じて作られたため,それを考慮した高い薬価が設定されています.ジェネリック品は特許が切れたものを作るため,その分安く作ることができます.ジェネリック品自体は昔からあるもので,実際に使われてもいました.ジェネリックの普及で先発品の開発意欲が減退しないか?という懸念もないわけではないでしょうが,特許は20年間保護されるのであり,企業としてもその期間くらいで研究費を回収するようにしているところだと思います(もっとも,特許が認められてから実際に売れるまでは時間がかかるため,20年間のうち発売できている期間は短いのかもしれませんが).
1つ気になることがあります.先発品のメーカは,特許が切れてジェネリック品が出回るようになった薬について,薬価を下げないのだろうか?ということです.
医師は十年一日のごとく(?)先発品を処方するかもしれませんが,これからは患者のほうから「ジェネリック可で処方してください」と言われるようになりそうです.そうすると薬価に差があればジェネリックばかり売れてしまうでしょうから,今までの値段では売れないという市場原理に基づいた需給になっていくでしょう.
もっとも,今回の「ロキソニン」の場合,ジェネリック品と先発品では4倍に近い差があります.先発品の値段をジェネリック品と同じにすれば4倍売らないといけないことになりますので,「知らない人(何も言わない人)に高い値段で売る」という状況が続くことは多分に考えられます.
最近のコメント