野暮用で逗子に行ったときの帰りにSSLの脆弱性が露呈された話をしましたが,今回は行きの話.
行きは等々力に用事があったので,等々力までバス,その後大井町線・東横線で横浜,そこから京急で逗子(新逗子)に行きました.
まず横浜のホームで上り(東京方面)の電車を見て驚いたのですが,なんと行先が「品川方面泉岳寺」.
JR西日本の「京都方面近江今津」「神戸方面網干」じゃないんだから...(笑)
京浜急行は「在京関西私鉄」と言われることがあるほど関西チックな民鉄で,あらゆるところに関西の雰囲気がただよっています.
まず,各駅停車が「普通車」であること,ダイヤが明らかに急行中心であること,緩急の編成両数に大きな差があること,停車時に運転士も窓から顔を出してホームの安全確認を行うことなどです.
もっとも,具体的にではどこに似ているのかといわれると,一概に阪神と言い切ることができず,阪神かもしれないし「阪神+山陽」かもしれないし「(阪神+南海)÷2」かもしれません.まあ,京急は京急であるということでしょう.
横浜からは普通車を2本見送って快特の京急久里浜行き(文庫から後ろ4両普通車浦賀行き)に乗りました.私は鉄道マニアではないのでよくわかりませんが,確か1000系+600系という車両だったような気がします.
京急自慢の高性能(そしてきっと高価な)車両は,なぜか先頭車がモータ付なので,運転台の後ろから前を見ながらジーメンスのインバータの「ドレミファソラシド~」を聞くことができます.
個人的には京急はスピード違反(といっても大幅なのはダメですが)をものともしない走りをしてくれたほうがおもしろいというくらいに思うのですが,あの事故の影響でしょうか,あまりすごい走りっぷりはしてくれませんでした.残念.
車内放送で,「次は上大岡です,この電車は快特京急久里浜行きです,後ろ4両は...」という一般的な案内が流れた後,「この放送が入っている車両は快特京急久里浜行きです,浦賀方面へおいでの方は金沢文庫でお降りになってホーム中ほどでお待ちください」という放送が流れました.分割がある列車の場合,前後に分けて放送ができれば大変便利であり,京王や小田急でもこの機能があります.(昔の京王線で「緑色の吊り輪の車両が高尾山口行き,白い吊り輪の車両が八王子行きです」というような案内をしていたのは有名な話.京急のこの電車はなんと座席の色が前8両と後4両で違った...)
私は逗子に行くので,単純に「文庫で各駅(浦賀行き)に乗り換え,八景で逗子線に乗り換え」と思っていたので,上大岡を出た後で後ろ4両に乗ろうと思って一番後ろまで歩いていきました.そのときは「文庫で一度降りて中ほどでお待ちください」という意味がわからなかったからなのですが,文庫に着く前の放送でびっくりしました.
「後ろ4両の普通車浦賀行きにご乗車の方は,次の金沢文庫でホームに降り,中ほどでお待ちください.普通車はいったんドアを閉めたあと前進してホームの中ほどにまいります.」
ええええええ????
切り離した電車がホームの中まで移動してくる???
そんなの,京王線や小田急線ではちょっと考えにくいことです.相模大野や高幡不動でそんな親切なことはしてくれません.(京急の方がちょっと編成が長いからかもしれませんが...)
つまり,電車の後ろまで歩いていく必要はなかったわけです.
さらに追い討ちをかけるように,「新逗子方面へおいでの方は,反対側のホームに停車中の普通車新逗子行きをご利用ください」だそうです.
そこまで親切なダイヤだったとは・・・・(笑)
せっかくなので切り離しや普通車の前進の様子を見ていたのですが,切り離しは小田急や京王以上にスムーズで,特に前8両の停車時間などは普通の駅よりもちょっと長いくらいでした.
後ろ4両は切り離しが終わった後すぐにドアを閉め,わずか2両分か3両分のために前進して再度ドアを開けました.
逗子行きと浦賀行きは同発のようなので浦賀行きに乗ってもよかったのですが,次の八景で乗り換えられる保証もない(と思った)ので逗子行きに乗ったのですが,八景ではちょっと後に来た浦賀行きを待って乗り換えさせてから発車していました.
最近の京王線のダイヤもすごいと思いますが,京急のダイヤも芸術的であると感じました.
驚くべきなのは,日中の快特の切り離しをする列車というのは,なんと,
羽田空港---(後4両)+(京急川崎で併結) (文庫で切離し) +(前8両)----久里浜・三崎口
品川方面---(前8両)+--------------------------------+(後4両)----浦賀(普通車)
というやり方です.分割は小田急や京王(ただし行楽期の休日のみ)でよく行われていますが,併合して分割するというのは日本中捜しても珍しいのではないでしょうか.
この列車,羽田から来る列車が「後4両」となっていますが,実は京急蒲田を出る時点では羽田からの列車が「先」です.つまりそのまま連結すると前4両が浦賀行きになってしまうのですが,前が各駅なのはまずいわけです.
ここで普通の会社だったら,蒲田の時点で品川発を先に出して川崎で羽田からの列車を後につけることを選ぶでしょう.
しかし京急はそうせず,羽田からの列車を川崎駅手前で待避線に入れ,品川からの列車の通過待ち(!!)をしたあと川崎で後にくっつけるということをしたのでした.多分品川~横浜・久里浜などのJRとの競合区間の所要時間を延ばさないためのやり方でしょうが,京急魂を感じます.
逆に上り方向は文庫で品川方面(8両)の後に空港行き(4両)を連結,川崎で切り離します.
つまり,上りと下りで編成の連結順序が変わるのです.
下りは三崎口寄り8両+品川寄り4両なのに,上りは三崎口寄りが4両+品川寄り8両です.
なんとまあ徹底したダイヤでしょう.
このようにわざわざ関西に行かなくても関西私鉄風の,いやそれ以上のおもしろさを味わえるので,週末のお出かけにはぜひ京急をおすすめしたいところです.
京急といえば金沢文庫を「文庫」,神奈川新町を「新町」といった省略形を堂々と電車に表示することでも有名でしたが,最近はどういうわけか「金沢文庫」「神奈川新町」と書くようになったようです.1回か2回しか乗ったことがない人から「わかんねぇよ!」という苦情があったのかもしれませんが,京急のおもしろさをまた1つ失った感じでした.
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