宗教法人無宗教

教義はいかなる宗教も信じないことです.

横浜事件 実体審理をすべきだった

 戦時中の有名な言論弾圧事件(治安維持法違反事件)の「横浜事件」の再審(裁判のやり直し)は,結局免訴が確定して一応のピリオドが打たれてしまいました.

 免訴とは,訴訟条件上もはや刑事訴訟を続けることが許されない場合に,訴訟を途中で打ち切ることです.例えば,事件後の法改正で刑が廃止されたときや,既に同じ事件について別の判決が確定していることが明らかになった場合 などは,訴訟を打ち切って免訴の判決を言い渡すことになっています.(被告人の死亡など,更に形式的なものについては公訴棄却になると思うのですが,そこまで詳しいことはわかりません.なお,起訴の段階で明らかに公訴棄却や免訴になることがわかっている場合は,検察官はわざわざ起訴しません.「被疑者死亡のまま書類送検・検察官は不起訴処分に」という報道はよくご存知と思います.)

 横浜事件では,治安維持法が廃止されるまでの間に有罪判決が確定していましたが,事件そのものがでっち上げであるとして,被告人=死亡のため遺族が再審を継続=が再審を繰り返し求めてきました.2003(平成15)年に横浜地裁が再審開始を決定し,2005(平成17)年に東京高裁で再審開始が確定し,再審の重い扉が開いたように見えました.

 ところが,再審一審の横浜地裁では,事件後に治安維持法が廃止されていることを理由に,実体審理をせず免訴の判決を言い渡しました.被告人遺族は免訴判決について上訴しましたが,免訴判決は無罪判決同様被告人に有利な判決と考えられており,上訴できない(上訴の利益がない)とする判例を根拠に,結局一度も実体審理が行われることなく免訴判決が確定することとなりました.いずれも,再審ではなく通常の(判決確定前の)手続きを,再審に当てはめた結果ということになります.

 議論としては,一度有罪が確定してしまっている事件の再審についても,刑事手続きの打切り(免訴)という形で終結させることは妥当なのか,ということになるのではないかと思います.

 免訴は無罪と同様に被告人を事件から解放する効果を持ちますが,実際には異なる印象を与えます.事実関係がなかったといった「疑いを晴らす判決」と異なり,「いずれにせよ罪になりえないので,真相を調べるまでもなく訴訟を打ち切る」という結論だからです.
 このため,免訴判決を受けた被告人が実体審理を経た判決を求めることには一定の妥当性があると思うのですが,判例ではそれを受け入れていません.
 ただ,有罪の判決が出る前に刑が廃止されてしまったような場合と,一度有罪が確定した事件について再審を求めているような場合を,同じには扱えないと思うのです.

 再審とは,有罪判決を覆して無罪ないし軽い罪を言い渡すべき新たな証拠が出た場合に,(元)被告人の利益のために裁判のやり直しを行う制度です.被告人が収監されていれば刑罰からの解放という重要な意味があるでしょうし,刑の執行を終えていたとしても,刑事補償の根拠や名誉の回復といった意味を持っています.名誉の回復というのは非常に重要な利益と考えられていて,再審で無罪となった場合は,その旨を官報と新聞に掲載して公示するという規定もあります.
 再審請求は刑の執行を終えてからでも,本人が死亡している場合はその遺族からでも行うことができるのは,このような意義を持った制度であるからです.

 免訴や控訴棄却となった場合でも,実体審理をしていれば無罪となったであろう場合は,刑事補償や無罪判決の公示と同様の補償を受けられることも定められており,横浜事件の再審判決でも,元被告人の救済はこのような手段で図られるべきだとされました.

 刑事補償の判断では,結局,「免訴の理由がなければ無罪になったであろう」ということを判断するため,法廷という形でないにせよ,実体判断が行われるのだと思います.しかし,そのような形で「無罪になったであろう」というような判断が出たとしても,名誉回復という再審の重要な役割が十分果たされるのでしょうか.事件そのものの事実関係が大きく揺らいだ以上,その判決および事件をきちんと根本から見直し,そもそも無罪であったと宣告すべきところだったと思います.

2008/03/26 | 個別ページ | コメント (0)

個人情報が漏れる

 知人から飲み会の連絡でケータイのアドレスにメールが来たのですが,あて先がなんと全員toになっていました.(メールをくれた知人以外は,知らないアドレスでした.知っている人かもしれないけど.)
 どうせ飲み会で会う人なので,メールアドレスが知られること自体に問題はないのですが,しかし....メールと一緒に私のあのアドレスが突如届いてしまったわけですね...
 ごめんなさい,そのアドレスは冗談ですので!

#わかる人にしかわからないネタで申しわけありません.

2008/03/21 | 個別ページ | コメント (0)

また急行か!

 春のダイヤ改正は,「また急行か!」といいたくなりました.

 「地元の人しか乗らない」といわれている東急大井町線に急行が走り,日中は大井町~二子玉川間21分だったところを16分で結ぶようです.私は地元でもありませんが,これまた地元の人しか知らない等々力までバスで行けるため,横浜や臨海副都心に行くときはよく利用しています.
 本当に地元の人しか乗らないのであれば,わざわざ駅の大改良をしてまで急行を走らせて時間を短縮するほどの距離でもありません.急行の目的はもちろん沿線の利便向上ではなく,あの田園都市線の混雑緩和です.田園都市線の二子玉川~渋谷はどうにもしがたいので,渋谷に出る人の一部でも大井町線に流すことができれば,田園都市線に輝く混雑ナンバーワンの栄誉を,他線にも分け与えることができるかもしれません.
 なにしろ,旧新玉川線(二子玉川~渋谷)の開通以前,田園都市線は大井町行きだったのであって,元々沿線の人たちは大井町経由で都心に出ていたというのです(今ののどかな大井町線からは想像も付きませんが).大井町線のスピードアップにより,特に品川や新橋方向などや,りんかい線経由で臨海副都心方面に出ている人には,渋谷経由よりも早く着く例が出てくることでしょう.

 というわけで,大井町線に急行が走り,各駅の本数は減らされることになりました.
 今まで1時間10本(6分の等間隔)だったものが,15分に急行1本各駅2本の3本(1時間12本)になり,1時間あたりの本数は増発になります.しかし,各駅しか止まらない駅では,1時間8本の停車になります.速達化のために各駅が減らされる事例は東武,京王,小田急でも同様で,これらはいずれも10分に1本に減らされてしまいました.それよりだいぶましとはいえ,私の利用する駅では,間に急行の通過があると各駅の間隔は9分にもなります.銀座線のようにはいかないまでも,9分はちょっとなぁ...というのが正直なところ.

 田園都市線との接続については,上下とも二子玉川で急行どうしがピッタリ接続するようです.田園都市線の急行停車駅(鷺沼とか青葉台とか)の皆さん,おめでとうございます.しかし,各駅どうしの接続はとれておらず,各駅しか利用できない人には,あまり便利になっていないようです.大岡山での目黒線との接続については,目黒線に急行が走り始めたあたりから崩れてしまいましたが,今度の改正でどのようになっているかまだ調べていません.

2008/03/21 | 個別ページ | コメント (0)

春の訪れ

 冬の間だけやってくるたちつて灯油.
 今日は,家の近くで歌を流している時間が短かったような気がします...
 普段は家の前の道を入ったところの一戸建てにお住まいの人たちが買っているため,家のすぐそばでしばらく止まるダイヤなのですが,今日はポリタンクが置かれていなかったのか,さっさと走り去っていったようです.
 来週は,もう来ないのでしょうか...(カレンダどおり3月中は来るのかもしれませんが)
 そして,春がやってきます.

2008/03/18 | 個別ページ | コメント (1)

京急は走るテーマパーク(2)

 前回ご紹介した,とてもおもしろい「羽田空港~横浜方面直通」の列車.
 横浜方向は川崎駅を前に引上線で快特の通過待ちをしたあと,快特の後に連結するのでした.

 関東で分割併合を行う路線は(JRは別として),京王線,小田急線が有名でしたが,京王線は2006年ころ「シーズン休日」のダイヤがなくなり,高幡不動での切り離しがなくなってしまいました.(ラッシュ前後の空車増結や増結車切り離しは今でもあると思いますが)
 小田急線もここ10年ほどは一貫して縮小の傾向にあり,誤乗防止で「急行小田原・片瀬江ノ島行き」のような列車をやめ,原則同じ方向「急行小田原行き(途中から後4両各駅停車小田原行き)」のようになるなど,だいぶ「わかりやすい」ほうに流れていきましたが,今月の改正でついに急行が原則10両で小田原まで行くことになり,「急行小田原行き(後4両秦野止まり)」というような列車もほとんどなくなってしまいました.その結果,営業中の分割併合はほとんど見られなくなりました.

 さて,京王や小田急の分割併合列車は,いずれも「6両+4両」などの向きが固定されています.例えば小田急線の場合,6両は小田原寄り,4両は新宿寄りと決まっていて,それが逆になることはありません.
 しかし,京急の羽田~横浜直通の場合は,常に「前8両+後4両」なのです.上りは品川寄りに8両が,下りは浦賀寄りに8両が来ます.何しろ,途中で連結したものをさらに切り離すのですから,このようなことが生じうるのです.(1本の列車で連結と切り離しを行うのは,もしかしたら京急だけではないでしょうか?普通はターミナルを1本の列車で発車して途中で分割することが多いですので)

 さらにいえば,朝ラッシュ時上りは,横須賀方面から8両で到着する特急や快特に金沢文庫で空車増結を行い,12両で品川方向に向かいます.そのとき,「前に4両増結」と「後に4両増結」を交互に行うことで,文庫で増結車に整列乗車しようとする人を円滑に整理しているのです.

 これだけ複雑な分割併合を行っていると,車両の運用も複雑になります.切り離した車両が次に連結する車両は,もちろんさっきとは違う車なのです.
 例の空港~横浜直通も,4両の空港系統は「空港方向は新逗子始発,横浜方向は浦賀行き」というダイヤになっているので,新逗子への送り込みと浦賀からの戻しをどうするのかが非常に気になります.京急の場合は列車番号から運用番号が読めるため,どれがどの列車の折り返しなのかは容易にわかるようになっているのですが,途中で回送になってしまったりするとアウトです.

 このような好奇心への対応のため,時刻表にはぜひ回送も載せるべきだといつも思います.

2008/03/17 | 個別ページ | コメント (0)

京急は走るテーマパーク

 先日京急に乗ったときに,駅売店で「京急時刻表」というものを売っていたので1冊購入し,読んでみたところ,「さすが京急」というような列車がたくさん走っていました...

 ●ホームに電車を縦列駐車
 京急線の列車は,快特が8~12両に対し,各駅停車(普通)は4~6両と,列車による編成両数の差が大きいのが特徴です.
 これを活かし,長いホームに各駅を2本縦列駐車のように止め,同時に快特と接続するようなダイヤが組まれています.

 (金沢文庫で1日3回行われる縦列駐車の例)
 20:00 普通浦賀行きが副本線(待避線)の前のほうに到着
 20:01 特急三崎口行きが本線に到着
 20:02 同発車
 20:05 普通新逗子行きが,副本線の後のほうに到着(浦賀行きと縦列駐車)
 20:06 京急ウイング3号久里浜行きが本線に到着
 20:07 ウイングと浦賀行きが発車(同時かもしれない)
 20:09 新逗子行きが発車

 文字で書くとあまり「すごい」という実感がないですが,ホームに2本の各駅を縦列駐車し,その後快特が到着,そのうえ普通と快特が同時またはほぼ同じ時刻に発車というダイヤは,まさに神業といっていいものではないかと思います.

 ●駅の手前で抜かれます
 羽田空港から横浜方面直通の列車に乗ると,聞きなれない放送を聞くことができます.
 「この電車は特急浦賀行きです.京急蒲田を出ますと京急川崎に止まります.京急川崎で,後から来る快特三崎口行きの後に連結し,金沢文庫まで快特で運転いたします.このため京急川崎の手前で後からの快特に抜かれます.京急川崎へお急ぎの方は,2番線の快特にお乗り換えください.」
 これを聞いて意味がすべてわかる人は,かなり京急に乗りなれた人なのだと思います.
 空港からの列車に乗ると,まず蒲田でスイッチバックとなり,品川からの快特よりも先に発車します.そして川崎の手前で最近新設されたポイントを通って引上線に入ると,後からの快特の進路が開通します.駅ではないところで客を乗せたまま快特の通過待ちをすると,目の前の快特は川崎駅に滑り込みます.そして空港発が待っている引上線のポイントは川崎駅側に開通し,入換信号によって駅に進入し,快特の後に増結します.
 時刻表によると品川発も2分未満(時刻表上の停車は1分)で発車しているようですので,非常に迅速な併結を行っています.
 本線を走る列車同士で連結しようとすると,概ね1分~2分の間隔をあけて走ることになり,また,前に止まっている列車があるということで相当前から減速・徐行をしながら近づくことになり,1分台の停車では難しくなります.しかし京急の場合は駅のすぐ手前の引上線で後側の列車を待たせておくことで,ほぼ通常の停車時間程度で併結をこなしてしまうあたり,「神業」を感じます.

 さらに,「ニコニコ動画」などでは本線で入換電車が逆送して,2本同時に列車がこっちに向かってくるなど,信じられないようなシーンがたくさん見つかりました.

2008/03/17 | 個別ページ | コメント (0)

代理出産 法律で禁止できるようなものか

 代理出産をめぐる問題について,日本学術会議は「法規制により原則禁止すべき」との報告書をまとめました.
 
 学術会議の結論は,代理出産を法律で禁止し,さらに営利目的の場合は医師,斡旋した者,依頼者を処罰する(代理母は処罰しない)というものです.そして,向井亜紀さんのときに大きな問題となった母子関係についても,従前の取扱いを踏襲し「出産した人を母とする」というものです.

 生命倫理の観点では,確かに国民世論が定まっていないという指摘は確かだと思います.「他の女性を出産の手段として用いるもの」とする批判もありますし,最悪の場合は母体死亡のリスクもあること,引渡し・引取り拒否があった場合にどうするのかといった議論もあります.

 このような批判や議論に応えていくことは重要なことでしょう.しかし,代理母を依頼してでも遺伝上のつながりがある子を望む人がいて,実費や最小限の謝礼程度(国によって範囲は異なる)は受け取るものの,誰に強制されるでもなく助け合いの精神で代理母になることに名乗りをあげる人がいて,そしてその意思を実現する医療者がいることを,どのような根拠で規制できるのだろうかと感じます.

 もちろん,代理出産や生殖補助医療全般などを否定することは自由です.自分たちが不妊の当事者になった場合に,自らの倫理観や価値観に基づいて立ち止まることは自由です.

 しかし,自分の考えに基づき「自分が行わない」ということと,「他人が行うことを非難すること」,さらにいえば「他人が行う自由を否定すること」は,全く別のものです.

 代理出産が禁止されることは,「代理出産によって子を望む自由」,「自らの意思で代理母になる自由」のいずれをも否定し,道を閉ざすことを意 味します.一方,容認されることとなれば,代理出産という手段を選ぶも選ばないも自由になるということです.当然のことですが,代理出産を消極に考える人は自分でその道を選ばなければよいだけの話です.(臓器移植を容認することで臓器提供や臓器移植術を受けることが強制されるわけではないことと似たような構図で す.)

 法律で何かを禁止しようということは,本来自由である行為を一定の目的をもって禁止するということです.誰が何を行っても自由なのが原則のところ,他者の権利を侵害する行為や,公益を著しく害する行為などについて,最小限の範囲で規制できるということです.法規制は多くの場合刑罰を伴って行われるのですから,規制にはそれを禁止するだけの十分な根拠が求められるのであって,「望ましくない」といった程度の理由で禁止できるようなものではありません.たとえその行為が倫理的に望ましくないと多くの人が考えるようなことであったとしても,単にそれだけでは禁止などすべきではないのです.

 「代理出産は,他人を危険にさらすことだ」という主張もあると思います.確かにそれを完全には否定できませんが,代理母を引き受けることは誰にも強制されず,あくまでも本人の意思ですし,家族の理解もなければ現実的には難しいでしょう.法律はリスクを承知で自分の意思で行うことを規制しないのが原則です.災害の復興支援にはボランティアの人たちが活躍していますし,労災の多い職種に就くことも本人の自由です.何より生体肝移植や腎移植のドナーになることだって自由なのです.代理母がリスクの説明をきちんと理解したうえで引き受けようとしている以上,代理母への危険を理由に禁止すべきとはいえないのだと思います.

 そして,依頼者にまで刑罰を科するということも,現実的とは思えません.学術会議の報告書では,医師,斡旋者に加え,なんと依頼者を処罰の対象として想定しているのです.依頼者は代理母の心身を搾取する加害者であるという発想なのでしょう(代理母を処罰の対象から除いているのはそのような理由).しかし,依頼者を加害者,代理母を被害者とする構図で考えることは,私にはできませんし,そもそも依頼者を処罰するということは,新生児の親を処罰するということです.
 また,現状では代理出産はほとんどが海外で行われており,現地では適法な行為のはずです.この場合に依頼者を処罰するには国外犯規定が必要になりますが,現地で適法,しかも国民感情として受け入れているというような状態で,帰国した依頼者を国外犯規定でもって処罰するとしたら,あまりにもおかしな話ではないかと思います.さらにいえば,向井亜紀さんのように事実を公表して出生届を出した場合は別として,ほとんどは役所に黙って実子として届けられていることも,私たちは事実として受け止めなければなりません.見方次第で,水面下で横行しているとも,当事者のやむにやまれぬ選択ともいえるのでしょうが,私は後者を重く見ます.

 もう1つの大きな論点として,依頼者と子の親子関係をどうするかという問題があります.現状では「出産した人が母」の扱いが定着しており,代理出産のように母子間に遺伝上のつながりがなくても同じ扱いを受けています.しかし,父親は最終的には遺伝上の父を父にできるのですから(妻が出生した子の父は夫と推定されるが,当事者が嫡出否認や親子関係不存在の訴えを起こすことによって覆すことが可能),代理出産が技術的には確立している以上,父親と同様の考え(出産した人を母親と推定するが,当事者の訴えにより遺伝上の母を母とすることができるようにする)により定めることは何ら問題がないと考えます.なにしろ,男性不妊を理由に第三者から提供を受けた精子により妊娠した場合(非配偶者間人工授精)でも,「妻が出産した子の父は妻の夫と推定」され,夫婦の実子にできるくらいなのですから,遺伝上の父母が代理出産により生まれた子を実子とすることに,何の問題もありません.
 子の福祉の観点からも,遺伝上も父母であり,出生の結果を強く希望しており,当然扶養の意思を持っている依頼者夫婦を実親とするほうが望ましいことも,いうまでもありません.
 「実際に出産した人が必ず母親」という取扱いは代理出産が現実的に行われている現状では明らかに不自然ですし,また,その取扱いが代理出産を依頼する側にも引き受ける側にも強い抑制の効果を生ぜしめていることも問題です.これもまさに「戸籍が1つの価値観を強制する」典型的な例といえるでしょうし,「子どもが人質」といっても過言ではないことも問題でしょう.

 代理出産を禁止することは,いろいろな点で合理的でないように思います.原則自由(当事者の意思を最大限尊重し,国はそれを止めない)としたうえ,それを極力妨げない方向,具体的には,親子関係の規定,子の引取りや引渡しの拒否への対応,代理母に危険が生じた場合や事故の場合の救済をどのように図るかなどを考えていくほかないように思います.

2008/03/15 | 個別ページ | コメント (0)

これからが楽しみ,石原慎太郎銀行

 今一番話題豊富な石原慎太郎銀行新銀行東京.

 口座,もちろん持っていますよ.開業間もない頃わずかな資金で開設した口座で,口座維持手数料がかかった頃のことですから,既に残高はありませんが...

080313sgt

 このカードは三越やJALとの提携解消のため今は発行されておらず,現在発行されているのは単体キャッシュカードだけのようです.

 ゆうちょ銀行やセブン銀行のATMでも使えますし,wikipedia情報によると,一部のイーネットやLANs(ローソンATMネットワークス)でも使えるようです(管理銀行がみずほ銀行の場合,らしい).

 それほど不便でもないうえ,インターネットバンキングの振込手数料なども安いので,普段の小遣いの出し入れに使ってみようかと思ってしまいます.(預金保険機構で1000万円までは保護されるとはいえ,大金を入れておく勇気はないです...)

 しかし暗証番号もインターネットバンキングの使い方もわからなくなってしまったので,利用再開の手順を聞きに行かないといけません...

 何しろ,最近はいろいろお騒がせ中のため,今後のサービス内容についてとか,店舗の統廃合についてとか,ずいぶん頻繁にいろいろお手紙をくださるので,そのうち本当に整理とか破綻という話になったとき,ゆうちょ銀行とか三菱東京UFJ銀行とか三井住友銀行のような銀行に預金している人たちにはおそらく一生経験することができないことが起こるだろうと思うのです.ウッシッシ.

2008/03/13 | 個別ページ | コメント (0)

完全自殺マニュアルと,図書館の自由

 もう15年も前になりますが,「完全自殺マニュアル」(鶴見済,太田出版,1993年)という本が出版され,話題になったことがあります.

 当時,この本は書店のどのようなコーナに並んでいるのだろうかと気になりました.
 マニュアルだから「実用書」だろうか,いや,実用されたら困る.
 「生き方」...いや,死に方を書いた本だし.(少なくとも表面的には)
 「医学・医療」...医学書ではないし,医療の目的とは違うような...
 しかし,たいていは人気書として平積みになっていたため,どこに並んでいるかを調べることはありませんでした.

 そうだ,図書館ではどこの棚に並べているのだろう.図書館ではNDC(日本十進分類法)に基づき,本のカテゴリで分け,3桁~4桁の分類コードの順に並べているはずです.
 というわけで,行きつけの世田谷区のOPAC(オンライン蔵書目録)で蔵書検索をしてみたところ,区内には蔵書がないようです.OPACで検索するとタイトルだけでなく説明文も検索対象になるため,「表現の自由と『図書館の自由』」といった本が引っかかるのですが,当の「完全自殺マニュアル」は出てきませんでした.
 さすがに都立中央図書館では蔵書があって,そこでは「368.3」(368は「社会病理」)に分類されているようです.まあ,妥当な分類でしょう.もっとも,分類は出版DBにも記録されており,図書館が独自に分類するよりも,それを参考に分類しているものと思われるため,図書館ごとに分類が違うということはあまりないと思われるのですが.

 それにしても,あれだけのベストセラーであり問題作になった本が,区立図書館で蔵書がないというのは,意外といえば意外でした.
 せっかくなので都立図書館の「東京都公立図書館横断検索」で検索してみたところ,検索対象となった都下49区市町の図書館で,所蔵があるのは 杉並区,練馬区,豊島区,品川区,渋谷区,目黒区,中野区,文京区,江東区,葛飾区,町田市,あきる野市,立川市,多摩市,府中市,調布市,狛江市の17区市にとどまりました.開架で提供している図書館では,貸出中の割合も高いようです.
 あれだけ売れた本が置かれていない図書館が多い理由は,まさか図書館で借り出された本を本当に使われてしまい,そのまま未返却になっている(警察経由で返却されてもさすがに貸し出せず廃棄になっている)という理由ではないでしょう.何しろ完全自殺マニュアルは100万部を超えるベストセラーになっているのですが,厚生労働省の統計(平成18年版人口動態調査・死因年次推移分類別にみた性別死亡数・率)によれば,1993年の付近で自殺が有意に増えている事実はありませんから,数字を見る限りでは「中には,そういう人もいたんだろうけど」という範囲です.むしろ1998年を境に突如増加したことのほうがはるかに重大です.

 当時,いくつかの自治体では「自殺をそそのかす」という理由で有害図書の指定を行うなどの問題もありました.おそらく図書館にも「収集にふさわしくない」という圧力が議会や教委事務局などを通じてあっただろうと推測されます.実際,「完全自殺マニュアル」を閲覧制限した図書館もありました.しかし,公共図書館は設置者(自治体)からも独立して資料を収集することが使命ですし,このような判断は図書館の仕事ではありません.あくまでも利用者のニーズが高い本は棚に並べるべきであり,内容の価値判断は利用者各自に委ねるのが望ましいことはいうまでもありません.

2008/03/11 | 個別ページ | コメント (2)

ご利用は計画的に

 どなたでも無利息で2週間お借り入れができます...
 そんな甘い言葉に誘われてつい手を出してしまい,今では常に限度額いっぱいまで借り入れ,返済をしたその日にまた限度額いっぱいまで借り入れる,まさに自転車操業になってしまいました...

 その名も世田谷区立中央図書館.どなたでも(区内在住・在勤などの条件もなく)無審査で借り入れができ,利息も取られません.私の場合は大きな書店よりも中央図書館のほうが近いというのも好都合です.
 世田谷区の場合,区内に16館ある各図書館ごとに5冊まで,2週間まで借り入れができます.都内でも区によって条件が異なり,他区では全館で10冊というのが「相場」のようで,世田谷の「5冊」は少ないほうのようです.もっとも,16か所を回って80冊を引き出すような多重債務者には便利かもしれませんが...

 最近はどこでもインターネットで蔵書検索や予約ができるので,読みたい本があれば予約すると用意しておいてもらうことができます.区内の16館で結構バラバラに本を選んでいるらしく,「中央図書館だったら全部揃う」というものでもないため,予約・取り寄せの機能はとても便利です.

 図書館は何しろタダですから,書店と異なりちょっとでも興味があれば借り入れることができます.予約もアマゾンで買うのと異なりお金を気にせずカートに突っ込めるので,新聞の書評や別の本を読んでいて参考文献として紹介された本なども気軽に読むことができます.

 人気のある本は待ち行列に並ぶことになるので,予約してから手に入るまでに数ヶ月ということもありますが,なぜか思いのほか早く,しかも何冊も同時に用意できてしまい,しかも次の予約がある本は返済を延ばしてもらうことができませんから2週間以内で読まなければなりません.まさに,「ご利用・ご返済は計画的に」といったところでしょうか...

2008/03/10 | 個別ページ | コメント (2)

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